
規制 · 4分
プレミアリーグの胸スポンサー禁止、賭博広告の減少は10.5%どまり
無人のスタジアムで、ピッチ脇に並ぶ点灯していないLED広告看板。 · Bonusjungle illustration
今季、プレミアリーグのユニフォームの胸からギャンブル企業のロゴはほぼ姿を消しましたが、ブリストル大学の研究者は、この変更による生中継試合中のギャンブル関連メッセージの削減は10.5%にとどまったと推計しています。広告の大半は依然としてピッチ脇の看板が担い、袖や練習着での露出は3倍以上に増えました。
プレミアリーグのクラブは、試合用ユニフォームの胸にギャンブル企業のスポンサーを付けなくなりましたが、テレビ観戦者が目にしたギャンブル広告は以前とほとんど変わりませんでした。 これは、ブリストル大学がリーグ開幕節を対象に毎年行っている調査の4回目の主な結果で、2026年10月21日に公表されました。研究者は、ユニフォーム胸部スポンサーの制限によって生中継試合中のギャンブル関連メッセージが減ったのはわずか10.5%だったと推計しています。
この制限は法律でも、英国の賭博規制当局ギャンブリング・コミッション(Gambling Commission)の規則でもありません。プレミアリーグの各クラブが2023年に自主的に合意し、2026/27シーズンの開幕から適用されています。大学によると、英国のギャンブル・マーケティングは、広告基準局(Advertising Standards Authority)による自主規制と、業界の自主規範の組み合わせで規制されています。
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研究者が数えたもの
研究チームは、2026年8月21〜24日の開幕節に英国で生中継されたプレミアリーグの全試合に加え、Sky Sports Newsの15時間分とラジオ局talkSPORTの15時間分を分析しました。また、フォロワー数の多い上位10のギャンブルブランドによるSNS上の通常投稿と有料投稿も調べました。
記録されたギャンブル関連メッセージは計15,571件でした。2024年(29,145件)や2025年(27,440件)より少ないものの、胸スポンサーの制限が合意される前の2023年の10,999件と比べると約42%多い数字です。
生中継7試合で、視聴者が目にしたギャンブル関連メッセージは11,205件でした。少なくとも1件が画面に映っていた時間は計5時間16分で、放送時間のほぼ5分の1に当たります。最も多かったのはニューカッスル・ユナイテッド対リバプール戦で2,702件、1分あたり12件超でした。Sky Sports Newsでは2,637件、talkSPORTでは207件を数え、すべてのCM枠に少なくとも1本のギャンブル広告が入っていました。
広告はどこへ移ったか
ユニフォームの胸からは姿を消しました。報告書全文によると、胸部のロゴは2023〜2025年の年平均1,539件からわずか9件に減りました。しかし、もともと全体のごく一部にすぎません。今年の減少の大半はまったく別の要因によるもので、スポンサーのリードイン(当サイトの言葉で言えば、放送やCM前後に流れる短いブランド映像)が87.5%減ったことでした。リードインを対象とした規制はありません。リードインを比較から除くと、生中継試合中のギャンブル関連メッセージの減少は10.5%にとどまります。
一方で、広告の一部は場所を移しただけでした。ユニフォームの袖と練習着のギャンブル関連メッセージは、制限前の年平均122件から563件に増えました。報告書はこの増加率を362.7%としています(要約では363%、大学のプレスリリースでは362%に丸めています)。ピッチ脇の広告、主にタッチライン沿いの電光看板は、生中継試合中の全メッセージの72%を占めました。
「これを自主規制の成功として示すことはできない」と、プロジェクトを率いるブリストル大学ビジネススクールのマーケティング上級講師、ラファエッロ・ロッシ(Raffaello Rossi)氏は述べました。「胸スポンサー禁止はユニフォームの胸からギャンブルのロゴを取り除いたが、サッカーから取り除いたわけではない」(当サイト訳)
際立つ英国
4年分のデータで見ると、プレミアリーグの中継では1試合あたり平均2,449件のギャンブル関連メッセージがありました。研究者の比較では、ドイツ・ブンデスリーガの中継は1,677件、NBAとNHLの中継は米国で483件、カナダで505件です。
反応
ロッシ氏は2026年10月21日、ギャンブル改革を目指す超党派議員連盟(All-Party Parliamentary Group (APPG) for Gambling Reform)に調査結果を報告しました。共同議長のイアン・ダンカン・スミス下院議員は、ユニフォームの制限は「表面をなでた程度にすぎない」と述べ、議連として政府にギャンブル広告のより厳しい規制を求めているとしました(当サイト訳)。研究プロジェクトの後援者で、元イングランド代表GKのピーター・シルトン氏と妻のステフ氏は、胸部からロゴが消えたことを歓迎しつつ、特に若者に関して「さらなる取り組みが必要だ」と述べました(当サイト訳)。
プレミアリーグの広報担当者はインディペンデント紙に対し、同リーグは「この措置を自主的に講じた英国初のスポーツリーグ」であり、この措置はサッカー界のギャンブル行動規範(Gambling Code of Conduct)や、クラブの順守状況の年次監視と並ぶものだと述べました(当サイト訳)。文化・メディア・スポーツ省(DCMS)の広報担当者は胸スポンサー禁止を歓迎しつつ、無許可事業者がほかの方法で依然としてクラブのスポンサーになれることを政府は懸念しているとし、「英国スポーツのスポンサー契約から無許可事業者を締め出すことに現在取り組んでいる」と述べました(当サイト訳)。
この調査はブリストル大学の資金で行われました。
英国のギャンブル広告とプレイヤー保護については、ギャンブル広告の全面禁止を求める貴族院委員会、無許可事業者による英国スポーツへのスポンサー禁止を求めるEntain、YouTubeがマストヘッド広告枠をギャンブル広告に開放、9月30日にUKGCの入金限度額ルールで何が変わったかの記事もご覧ください。
出典


SNSと18〜24歳
研究者はFacebookとInstagramで1,023件の有料ギャンブル広告を確認し、英国での推定合計リーチは1億5,320万アカウントに上りました。このうち18〜24歳のアカウントが1,660万件を占め、全体の10%を超えました。ロッシ氏は、業界規範では、信頼できる年齢確認がない限り有料のデジタル広告は25歳以上を対象にするよう定めていると指摘しました。また、適用除外となるプラットフォームの一覧は、業界団体ベッティング・アンド・ゲーミング・カウンシル(Betting and Gaming Council)の日付のない別ページに掲載されており、議会での追及を受けてInstagramが追加されたと述べました。
調査ではさらに、ギャンブル関連のコンテンツマーケティングの93%が広告であることを明確に識別できず、無許可のギャンブルブランドがプレミアリーグを通じて依然として露出を得ていたことも分かりました。